禁煙ワクチン研究開発進む、子供への接種は議論必至か

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 「禁煙ワクチン」とも呼ばれるニコチンワクチンが注目される中、米コーネル大学医科大学院のMartin J. Hicks氏らが新たなワクチンに関する動物実験の結果を、6月27日付の米科学誌「Science Translational Medicine」(電子版)に報告した。この実験では、マウスへニコチンワクチンを1回接種したところ、接種していないマウスに比べて脳内のニコチン濃度の上昇が85%抑制されたとの結果などが示されている。Hicks氏らは「ヒトでの有効性が認められれば、ニコチン依存症の効果的な予防治療となり得る」と結論。海外メディアの中には、今後ニコチンワクチンが喫煙開始前の子供に接種される可能性に言及し、それに関連した倫理的な問題の可能性を指摘するものもあった。禁煙希望者への応用が期待される一方で、実用化が近づけば、喫煙開始前の子供を含め誰が接種対象者になるのかという議論が繰り広げられることも予想される。

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