喫煙者の肺がんでは、がん細胞での突然変異の発現頻度も大幅に増加するようだ。肺がんについて検討した米ワシントン大学のRamaswamy Govindan氏は、喫煙グループのがん細胞で見つかった点突然変異(DNAやRNAの1つの塩基が別の塩基に置き換わること)の発現頻度が、喫煙したことがないグループの約10倍に上ることを、9月14日付の米科学誌「Cell」(2012; 150: 1121-1134)で明らかにした。しかも、抗がん薬の標的となる変異は喫煙したことがないグループで見られる傾向にあるという。同論文内容の一端は、ドイツ医師会の公式サイトでも紹介された。