日本人女性の20人に1人が発症するといわれている乳がん。その早期発見に有効とされてきたマンモグラフィー(乳房レントゲン撮影)だが、オランダがん研究所のAnouk Pijpe氏らによって英医学誌「BMJ」に発表された論文(2012; 345: e5660)によると、乳がんの原因遺伝子として知られている変異型BRCA1/2を持つ30歳未満の女性は、マンモグラフィーなどの電離放射線検診によって、乳がんを発症するリスクが増加するという。ピンクリボン運動として慈善団体により盛んに推奨されてきた乳がん検診だが、その効果に関しては疑問の声も多かった。ここに来てその弊害まで明らかになってきたとなると、そろそろその安易な推奨は見直されるべき時が来ているのかもしれない。