〈4月27日、私は乳房切除を含む3カ月にわたる医学的処置を終えました〉―。米女優アンジェリーナ・ジョリーさんは、5月14日付の米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿でこう告白した。遺伝子検査から乳がんが発症しやすく治療しにくい遺伝子変異を持っていることが分かり、発症していないのに両乳房を切除したという決断は、全世界に賛否を呼んでいる。ジョリーさんが受けた遺伝子検査と予防的乳房切除(リスク低減手術)は、ハリウッド女優のように強く金銭的に恵まれている人でなくても受けるべきなのか。日本の第一人者である昭和大学医学部(東京都)乳腺外科の中村清吾教授(同大学病院ブレストセンター長)に聞いた。