イラク戦争やその後の紛争で傷ついた人々に医療を―その思いから国境なき医師団(MSF)は、2006年よりヨルダンの首都アンマンで、紛争や爆発事件・事故の被害を受けた人々に専門的な再建外科手術を提供するプログラムを展開しています。 当時のイラクは極度に治安が悪化していたため、MSFは紛争被害が起きている場所に入れずにいました。そこで、地域の医師が「医療連携担当」となり、治療が必要な患者をアンマンに搬送するネットワークを形成したのです。現在はイラクだけでなく、内戦が続くシリア、パレスチナ・ガザ地区、リビア、イエメンにも医療連携担当が置かれ、患者が紹介されてきます。病院では、整形外科、形成外科、顎(がく)顔面外科といった専門医療と、さらに理学療法と心のケアを統合した形で提供しています。