歯は、エナメル質、象牙質、セメント質の3つの硬い組織からできている。そのうち、最も外側にあるエナメル質は、体の中で一番硬い組織だ。象牙質やセメント質は骨と同様に間葉系とよばれる細胞が作るのに対し、エナメル質は上皮細胞から作られる。不思議なことに、エナメル質は、毛や爪と同じメカニズムで作られる。このたび、東北大学の中村卓史准教授らは、米国の国立衛生研究所との共同研究により、歯のエナメル質がどのように作られ、歯の形状がどう作られていくかについて、マウスを使った実験で明らかにした。研究の詳細は、10月27日発行の科学誌「Journal of Bone and Mineral Research」(電子版)に掲載されている。