© Adobe Stock ※画像はイメージです 難治性狭心症患者に対して、心臓の血管壁にある細胞内の脂肪分解を促す治療を行ったところ、動脈硬化の顕著な改善が確認されたと大阪大の研究グループが発表した。 動脈の血管が硬くなる動脈硬化では、こぶ状のプラーク(脂肪の塊)が形成され血管が詰まりやすくなる。コレステロールや中性脂肪を下げるなどの治療が行われるが、プラークの減少は数パーセントにとどまるという。 研究グループは、血液中の脂質値や肥満度とは無関係に、冠動脈に中性脂肪が蓄積し動脈硬化を来す病態を見いだし、中性脂肪蓄積心筋血管症(TGCV)と命名。今回、TGCV患者2人に対して細胞内脂肪の分解を促進する開発段階の治療薬を投与し、コンピューター断層撮影(CT)検査を行って観察した。 その結果、冠動脈の狭窄(きょうさく)、血流低下の明らかな改善、血管に蓄積する脂肪の減少が確認された。研究グループは「これまで想定されなかった、顕著でかつ新たなメカニズムによる動脈硬化の改善だ」と指摘している。 (メディカルトリビューン=時事)