© Adobe Stock ※画像はイメージです アトピー性皮膚炎で生じるかゆみの原因を解明し、その治療薬になり得る化合物を発見したと、富山大と佐賀大の共同研究グループが発表した。 強いかゆみが生じ、日常生活に支障を来すアトピー性皮膚炎。研究グループは、アトピー性皮膚炎の症状を示すように作製したマウスを使った実験で、かゆみの原因やメカニズムの解明を試みた。 その結果、アトピー性皮膚炎マウスでは皮膚組織で作られるタンパク質「ペリオスチン」が過剰に発現し、知覚神経に作用して強いかゆみを引き起こすことが分かった。また、製薬会社が別の目的の薬剤として開発を進めていたペリオスチンの働きを阻害する化合物(CP4715)を投与したところ、湿疹や引っかき行動の減少が認められた。 研究グループはCP4715のアトピー性皮膚炎に対する効果について特許を申請しており、今後治療薬として開発を進める方針で、「かゆみで苦しんでいるアトピー性皮膚炎患者にとって福音となると考えられる」としている。 (メディカルトリビューン=時事)