訪問歯科診療の活用を―命に関わる口の健康 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 元気で長生きするためには、口の中の健康が欠かせない。歯科医院に自力で通えなくなったときに利用できる「訪問歯科診療」について、日本訪問歯科協会(東京都千代田区)の守口憲三理事長に話を聞いた。 ▽超高齢化で重要に 訪問歯科診療とは、歯科医師や歯科衛生士が要介護状態の高齢者や車いす利用者、知的障害のある人などの自宅や施設に行き、歯の治療や口腔(こうくう)ケアを行うことをいう。 超長寿社会で介護を受ける高齢者が増えているが、「身体介護が優先され、口腔(こうくう)ケアはおろそかになりがち。虫歯や入れ歯の治療だけでなく、口の中を清潔にすることも大切です」。 毎食後、口の中の掃除をしないと食べ物の残りかすなどが付き、唾液が出にくくなる。唾液には自浄作用があり、食事で酸性になった口内を中性に戻したり、口臭を防いだりする。消化酵素の働きもあり、よくかんで食べれば消化吸収を促す。 「汚れをほっておくと、舌の上にある味を感じる味蕾(みらい)の働きが悪くなり、食事をおいしく感じられなくなります」。その結果、食欲がなくなり、栄養不足で健康を害してしまうこともある。 さらに口内には多くの常在菌がすみつき、歯磨きをしないと菌が増殖し、虫歯や歯周病の原因になるだけでなく、汚れた唾液が気管に入ると誤嚥性肺炎のリスクが高くなる。 「若いときは食べ物や唾液が気管に入ったら、むせて吐き出せますが、飲み込む機能が衰えた高齢者はむせるのが難しく、誤嚥(ごえん)性肺炎を起こしてしまいます」と守口理事長は注意を促す。 ▽専門家による食事指導も 日本訪問歯科協会には現在、全国に約1500人の会員がいる。訪問歯科診療を受けるには、同協会のコールセンター(0120)864159に電話を。サイトから往診対応エリアを検索することも可能。認定医が自宅近くにいない場合は、各自治体の歯科医師会に問い合わせると紹介してもらえる。 訪問歯科診療では、歯の治療や口腔ケアだけでなく、歯科医や歯科衛生士、管理栄養士、看護師らが患者が食事する様子を観察し、食べる姿勢や食事内容、誤嚥予防などを指導する「ミールラウンド」も行っている。「外部の支援を利用し、家族の負担を減らすことが介護のこつです」と守口理事長は話している。(メディカルトリビューン=時事) ◇ ◇ 日本訪問歯科協会事務局の所在地 〒101―0037 東京都千代田区神田西福田町4 ONEST神田西福田町ビル8階 電話(0120)099505 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×