便秘が、原因不明で治りにくい特発性間質性肺炎(IIP)患者の死亡リスクになることが分かったと、浜松医科大などの研究グループが発表した。 IIPは、肺が硬くなる線維化が起こり、進行すると息苦しさなどが表れる。複数のタイプがあり人によって経過が大きく異なるため、患者に合わせた治療が重要となる。一方で、便秘は心疾患や腎疾患などさまざまな病気の死亡リスクに関わることも分かってきている。 研究グループは、2004年9月~21年6月に同大医学部付属病院でIIPと診断された433人の男女の診療記録データを収集。観察期間中、238人が便秘を発症していた。 便秘の発症と生存期間との関連を解析すると、便秘は生存期間の短縮と有意に関連しており、便秘がIIPの独立した死亡リスク因子だった。 研究グループは、IIPの新たな治療戦略として、便秘の予防や積極的な治療介入の有用性が検証されることに期待を示している。(メディカルトリビューン=時事)