環境や健康への影響が指摘されている微小粒子状物質(PM2.5)にさらされることが、子どもの学習や記憶などの認知能力低下に影響する可能性が示されたと、米国の研究グループが発表した。 研究グループは、発達に関する米国の大規模な研究に参加し、2016~18年に9~10歳だった子ども8588人のデータを収集。〔1〕一般認知能力〔2〕計画を立てて実行する力(実行機能)〔3〕学習・記憶―に関するスコアを算出した。人工衛星データなどを基に人工知能(AI)でPM2.5にさらされた量を試算し、認知スコアとの関連などを検討した。 その結果、PM2.5にさらされた累積量は〔1〕~〔3〕の悪化と有意に関連していた。発生源を見ると、土壌や産業排出は〔1〕の、車の排ガスや道路の粉じんといった交通関係は〔2〕の、肥料などに含まれる硝酸アンモニウムは〔3〕の低下と関連があった。(メディカルトリビューン=時事)