胃カメラ検査の際、胆管と膵（すい）管が十二指腸につながる部分「十二指腸乳頭部」の洗浄液を追加で調べることで、早期膵がんを高い精度で診断できることが分かったと、大阪大大学院などの研究グループが発表した。 早期発見がしにくく難治で知られる膵がん。研究グループは、全国の１０施設と協力し、健康な７５人と膵がん患者８９人を対象に、通常の胃カメラ検査の際に十二指腸乳頭部を専用のカテーテルで洗浄後、回収した洗浄液中のＫＲＡＳ（ケーラス）遺伝子変異（膵がんに見られる遺伝子異常）の量を測定した。 その結果、膵がん患者ではＫＲＡＳ遺伝子変異が顕著に多いことが判明。膵がんを検出する上で極めて精度の高い検査法だと分かった。研究グループは「膵がん克服に向けた大きな一歩。２年に１回の胃がん検診、特に胃カメラの際にこの検査法を追加することで、膵がんの早期発見、早期治療が期待できる」としている。（メディカルトリビューン＝時事）