食事と筋トレで肥満改善―医師支援で治療

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 肥満は糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病や、これらの病気が重複するメタボリックシンドロームと密接な関係がある。放置すると、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気を引き起こす可能性も。「肥満を病気と認識して、専門的な治療を受けることで合併症を予防し、健康的な生活を維持できる」とすぎはら眼科内科(岡山県倉敷市)の杉原雄策院長は指摘する。

▽大きな筋肉を動かす

 同院では2カ月で約5キロの減量を目指す「シェイプアップ外来」を2023年4月に開設。食事療法と運動療法を中心に、必要に応じて薬物療法や患者の自己効力感を高めるコーチングにも力を入れている。

 食事療法では甘いものと油ものを控える以外は、特に制限を設けていない。「患者の多くは食べ過ぎを自覚しているため、細かい食事制限はむしろ逆効果。運動療法による筋肉量の増加を目的に、たんぱく質の積極的な摂取を推奨しています」

 運動療法では無酸素運動の筋力トレーニングを重視する。「減量が目的なら、ウオーキングやジョギングなどの有酸素運動だけでなく、大きな筋肉を動かす運動が必要です。外来では腕立て伏せや自分の体重を生かして行う自重スクワットなど、特別な器具がなくてもできる筋トレを診察室で一緒に行います」

 筋トレ初心者にお勧めなのが、机や壁などに手を突いて行う斜め腕立て伏せだ。「自宅の洗面所や台所など、いつでも気軽にできるので、スクワットとセットで1日10回から始めてみましょう」

▽体の変化をチェック

 肥満や減量について、医療の専門家に相談できる窓口があることが重要だという。「痩せるために何をすべきは分かっていても、続かない。そんなつらく、もどかしい思いに耳を傾け、責めるのではなく受け止めて、共に取り組む伴走者が必要なのです」

 同院では体重や筋肉量、体脂肪率の推移を月1回測定し、体の変化を医師が説明することで動機付けを図っている。「体重に変化がなくても、脂肪が減り筋肉量が増えると減量につながります。家庭では、体重体組成計で変化を記録するのもモチベーションアップのポイントです」と杉原院長は助言する。(メディカルトリビューン=時事)

   ◇   ◇

 すぎはら眼科内科の所在地 〒710―1101 岡山県倉敷市茶屋町751の1 電話086(428)2868

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする