都市部では社会経済的指標が低い地域の住民ほど、暑さによる健康被害がより顕著であることが分かったと、東京科学大などの研究グループが発表した。 ヒートアイランド現象の影響により都市部の住民は暑さにさらされやすい。研究グループは2011~19年の591万4084人の入院データに基づき、6~9月に緊急入院した患者情報と1日の平均気温との関連を分析。緊急入院に対する暑さの影響が、居住地域や社会経済的指標でどのように異なるのかを解析した。 その結果、全緊急入院のうち暑さが要因となる入院の割合は、社会経済的指標が最も高い地域で1.19%、最も低い地域で1.87%だった。居住地域(都市・郊外・農村)別の比較では、農村部で1.42%、都市部で2.03%だった。 また、社会経済的指標と居住地域を合わせて解析すると、都市部の中で同指標が最も低い地域では、暑さによる緊急入院が2.62%で最も高かった。(メディカルトリビューン=時事)