自律神経を整える―「温活」で冷え性解消

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 春を迎えても、手足の冷えが続く人がいるかもしれない。この先、梅雨寒や冷房の効き過ぎが心配という人もいるだろう。そんな冷え性の対策について、ひめのともみクリニック(東京都品川区)の姫野友美院長に聞いた。

▽血流が低下

 ひと口に冷え性と言ってもさまざまだ。「最も多いのは手足の冷えですが、全身、おなかの冷えもあります。同じ人でも、季節や環境によって感じる部位が変わることもあります」

 冷えとともに、手足のしびれや感覚の鈍さ、関節の痛みやこわばり、腰痛、頭痛、肩凝り、疲れやすさなどが表れる。女性には生理痛、肌のくすみも出る。「主な原因は、手足の先端など特定の部分の血流が低下することです」

 その背景には、自律神経のバランスの乱れがあるという。自律神経は、脳が体のさまざまな機能を調節する経路で、活動する時や緊張している時に作用する交感神経と、休息や食事の時に働く副交感神経がある。

 状況に応じてどちらかが優位になるが、交感神経は、血管を収縮させて血流を低下させる方向に作用する。反対に、「副交感神経が優位になると血管が広がって血流が良くなるので、その時間を増やすことが冷え性対策の『温活』になります」。

▽入浴、睡眠、食事の工夫を

 例えば入浴は、シャワーで済ますよりも湯船に十分に漬かるようにしたい。「リラックスできて、血流も良くなります」。寝不足では交感神経が優位になりがちなので、睡眠時間は7~9時間が理想的という。

 食事には、ショウガ、根菜、スパイス類など、体を温める働きのある食材を意識して取るとよい。貧血を改善する鉄も、特に女性に重要な栄養素だ。

 また男女を問わず、サバ、アジ、イワシなどの青魚やアマニ油、エゴマ油などの植物油に多く含まれる「オメガ3系脂肪酸」を取るようにする。「交感神経から副交感神経への切り替えが円滑になります。血流の改善も期待できます」。アマニ油やエゴマ油は、1日に小さじ1杯を好きな料理に掛けて取るのが目安。

 一方で、「冷たい飲み物や血管を収縮させるカフェインを含む飲み物は、控えた方がよいでしょう」と姫野院長は助言する。(メディカルトリビューン=時事)

   ◇   ◇

 ひめのともみクリニックの所在地 〒141―0032 東京都品川区大崎4の1の2ウィン第2五反田ビル4階 電話03(5436)7351

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