高齢運転者は認知機能の状態にかかわらず、同乗者がいれば事故を起こしにくいことが分かったと、筑波大などの研究グループが発表した。 研究グループは、2014~17年に運転免許を更新した75歳以上の高齢運転者のうち、更新後3年間に事故に遭った運転者について、過失の重い「第1当事者(約10万9000人)」と過失なしとされる「第2当事者(約5万7000人)」に分類。事故時の同乗者の有無について、免許更新時の認知機能検査結果(認知症の恐れあり、認知機能低下の恐れあり、いずれの恐れもなし)と男女別で比較した。 その結果、認知機能の程度にかかわらず、男女とも、第1当事者に比べ第2当事者の方が同乗者を伴うケースが多かった。一方、事故発生に関連し得る天候や過去の事故経験などの条件に大きな差はなかった。 研究グループは「高齢運転者の安全運転に同乗者の存在が重要な役割を果たしている可能性がある」と述べている。(メディカルトリビューン=時事)