妊婦は猛暑の翌日に注意―胎盤の早期剥離リスク

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 暑さ指数(WBGT)が非常に高い日の翌日、妊娠中に胎盤が子宮から剥がれ、母子の命に関わる危険のある常位胎盤早期剥離を発症するリスクが高まると、東京科学大の研究グループが発表した。

 研究グループは、2011~20年に全国11地域で常位胎盤早期剥離が起きた6947人と夏季(6~9月)のWBGTデータを分析。両者の関係を調べた。

 その結果、WBGTに基づき「非常に暑い日」とされた翌日に、発症リスクが顕著に上昇していた。このリスクは翌々日には低下し1週間全体で見るとリスクは相殺されており、「もともと数日後に発症するはずだった症例が猛暑でタイミングが前倒しになった可能性がある」(研究グループ)と分析された。

 また、妊娠高血圧症候群や胎児の発育が不良な妊婦では、暑さによる影響がより強く見られた。研究グループは「猛暑日の直後は出血や腹痛など初期症状に注意。妊婦も暑さの影響を受けやすいという社会的な認識が必要」と述べている。(メディカルトリビューン=時事)

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