運動部活は2時間以内で―暑い時期の熱中症対策

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 学校の運動部活動で熱中症になるケースは年間数千件に上り、対策が急務である。特に、梅雨明けと夏休み前はまだ体が暑さに慣れていないため、注意が必要だ。早稲田大スポーツ科学学術院(埼玉県所沢市)の細川由梨准教授に対策を聞いた。

▽どの地域でもリスクに

 「熱中症リスクが低い地域でも、気候変動の影響で暑さを無視できなくなっている。各校で部員が置かれている環境を知ることがスタートになる」と細川准教授。部活動の重要性を認めつつ、「気温や湿度などから熱中症リスクを表す『暑さ指数(WBGT)計』を運動部ごとに配備する」「2時間以上は続けない」「防具を着ける競技でも、軽装で行う」などの対策を挙げる。

 部員や指導者らからは「この程度の暑さで活動を中止していたら、何もできない」「暑さ指数が低い地域では通常通りの活動で、不公平だ」という声が上がる可能性も。これに関して、細川准教授は「学校が部員の最低限の安全を確保するという意識改革が必要ではないか」と呼び掛ける。

 また、部内に同調圧力が生じないように、一定の暑さ指数に達したら行う対策や、活動を中止する基準を作っておくことも望ましい。

 部員に向けては、「試験がある学期末は部活動が休みになる学校も多いが、普段の体調管理と運動習慣は続けてほしい」と助言。夏休みに入ると練習時間が延び、合宿に行くこともある。「活動量が増えれば、熱中症のリスクも上がる恐れがあります。梅雨明けと重なる可能性がある夏休みの開始前後こそ、活動量の調整が必要だという意識を持ってほしい」

▽抜本的対策も必要

 細川准教授らの研究によると、温室効果ガスの排出を大幅に抑制するシナリオでも、2060~80年代には国内8地域中5地域で、激しい運動を中止するレベルの暑さ指数になるという結果が出た。

 気候変動の進行が懸念されるため、競技団体、自治体などによる長期的な対策も必要となる。大会や練習スケジュールの変更、屋内運動場の整備、より涼しい地域での活動といった抜本策を考える必要があるという。(メディカルトリビューン=時事)

   ◇   ◇

 早稲田大スポーツ科学学術院の所在地 〒359―1192 埼玉県所沢市三ケ島2の579の15 電話03(3202)5454(早稲田大広報室)

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする