シイタケ皮膚炎―よく火を通して食べて

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 激しいかゆみを伴う発疹が特徴のシイタケ皮膚炎は、バーベキューなどシイタケを焼いて食べる機会が多い夏に患者が増える傾向があるという。それまでシイタケを食べても異常がなかった人が発症するなど不明な点が多い疾患だ。上尾中央総合病院(埼玉県上尾市)皮膚科の出光俊郎科長に聞いた。

▽再発はまれ

 出光科長によると、シイタケ皮膚炎は生焼けのシイタケを食べた2、3日後に激しいかゆみを伴う発疹が胸、腹、背を中心に表れ、かいた跡は、ムチで打たれたような、みみず腫れになった線状の発疹が見られる。

 発症メカニズムは解明されていないが、レンチナンなどシイタケに含まれる特定の成分の関与が考えられている。しかし、血液検査で異常は見られず、原因物質に対して生じるアレルギー反応とは違う。

 出光科長は「食中毒の一種とも考えられますが、吐き気や腹痛などの消化器症状は見られません。患者の多くが、ビールなどのアルコール飲料を飲みながらシイタケを食べて発症しています。乾燥シイタケの戻し汁や、シイタケチップス(スナック食品)などでも発症する可能性があるほか、まれに他のキノコでも同様の症状を引き起こすと言われています」と補足する。

 命に関わる疾患ではなく、複数回発症することは極めて少ない。同院でも再発で受診した患者はほとんどないという。

▽食事を振り返る

 特有の臨床像と食事歴が診断の決め手となる。原因がはっきりせず、突然激しいかゆみを伴う発疹が出現した場合、2、3日前にシイタケを焼いて食べたか振り返ってみるのがよい。

 治療は薬物療法が主体で、ステロイドの外用と抗ヒスタミン薬の内服によって1~2週間で改善するが、重症例ではステロイドの内服が必要なケースもある。シイタケを食べるときは十分に火を通すことが何よりの予防法。

 出光科長は「シイタケ皮膚炎に似た症状は、薬剤が原因で起こる皮疹、内臓疾患と関連する皮膚病などでも表れます。これらの中には命に関わるものもあり、そのためにも的確な診断、適切な治療を受けることが重要です。気になる症状があるときは早めに皮膚科を受診することをお勧めします」と助言している。(メディカルトリビューン=時事)

 上尾中央総合病院の所在地 〒362―8588 埼玉県上尾市柏座1の10の10 電話048(773)1111(代)

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする