夏ばてと勘違いもー夏季うつ病

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 季節性感情障害(SAD)の一種で、冬場に抑うつ症状が表れる冬季うつ病は、比較的よく知られている。一方、同じSADでも、夏場に発症する夏季うつ病については、時として夏ばてと思われてしまうなど、見過ごされがちだという。品川メンタルクリニック(東京都港区)の渡辺真也院長に話を聞いた。

▽不規則な生活

 冬季うつ病が秋から冬に発症して春から夏の間は症状が治まるのに対し、夏季うつ病は、春の終わりころから夏にかけて発症して秋から冬の間は症状が表れない。「体のだるさ、疲労感、食欲不振といった症状が目立ち、夏ばてと思われてしまいがちです」と渡辺院長は説明する。

 冬季うつ病は日照時間が短い時期に発症し、光を浴びる治療法(光療法)がある。日照時間の長い夏はうつ病のイメージとは遠いが、「夏は日照時間が増える分、活動時間も増えて、就寝時間が遅れるなどして睡眠不足になりやすいです。また、長期休暇があるため、生活リズムが不規則になりがちです。こうした要因が、うつ病の発症リスクになります」。実際、夏休み明けに学校や職場に行けないケースもあるという。

 一般にうつ病は女性に多い特徴があり、「夏は薄着になり、海水浴などで体形が分かりやすい服を着る機会が増えるため、体形に対するコンプレックスが大きなストレスとなり、抑うつ症状を誘発、悪化させてしまうこともあります」

▽日記も予防策

 予防法として、「食事や睡眠、運動など規則正しい生活を送ることが大切です。毎日の就寝・起床時刻や食事の時刻など日記をつけることをお勧めします」

 気になる症状が表れたら、精神科か心療内科を受診するのがよい。「症状が2週間続くようなら、早めに専門家を受診してください」。夏季うつ病に特化した治療法はないため、抗うつ薬などを用いる薬物療法や、精神療法が主体となる。ただ、基本はあくまで「規則正しい生活習慣」。

 「夏は誰もが楽しさを味わえる季節ですが、暑さによる熱中症や夏ばてに注意を払うだけでなく、精神的な不調にもつながりやすいことを認識してほしいです」と渡辺院長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)

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 品川メンタルクリニックの所在地 〒108―0075 東京都港区港南2の6の3シントミビル5階 電話(0120)772248

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