月経時に生じる頭痛を生理痛の一つだと思い、市販の鎮痛薬でしのいでいる人は少なくない。しかし、吐いたり寝込んだりするほど重い頭痛の場合は生理痛ではなく、片頭痛が疑われる。月経周期に生じる片頭痛発作(月経関連片頭痛)について、北里大北里研究所病院脳神経内科の飯ケ谷美峰部長に聞いた。 ▽女性ホルモンと関連 片頭痛は拍動性の強い痛みが4~72時間ほど持続するタイプの頭痛。動くと悪化する、吐き気や嘔吐(おうと)がある、光や音に敏感になる―などの症状を伴うのが特徴だ。発症の誘因はストレス、まぶしい光などさまざま。月経もその一つで、月経開始日を中心に前後2日間に起こりやすい。「女性ホルモンの変動が関係しているとみられます」と飯ケ谷部長は説明する。 また、頭痛には片頭痛の他にもいくつかのタイプがあり、治療法や予防法が異なる。自分の頭痛のタイプを把握するには、発症日やきっかけ、痛みの程度、日常生活への影響、服薬の効果などを記録する頭痛ダイアリーが役立つ。 市販の鎮痛薬の成分を確認しながらいくつか試してみるのがよいが、そもそも月経関連片頭痛は市販薬が十分に効かないことが多いという。月経のたびに重い頭痛に悩まされている場合は、脳神経内科などを受診する。月経関連片頭痛と診断されれば、片頭痛治療薬のトリプタンが有効だ。「よく効く薬を常備しているだけで頭痛に対するストレスが軽減します」 ▽痛み出したらすぐ薬 市販の鎮痛薬やトリプタンなどの頭痛薬は、痛みが起こり始めたらすぐに服用するのがポイント。痛みへの不安から発症前に服薬しても十分な効果は得られない。 また、頭痛薬を過剰に使用すると、かえって頭痛の頻度が増える「薬剤の使用過多による頭痛」が起こることもある。「月に10日以上何らかの頭痛薬を服用している場合はその危険があるので、早めに日本頭痛学会が認定する頭痛専門医に相談してください」 最近、片頭痛予防の新薬(CGRP関連抗体薬)が登場し、片頭痛の頻度や程度を減らせるようになったという。 月経関連片頭痛を含めた片頭痛は働き盛りの女性にとって大きな悩みだが、閉経後は改善することが多い。「頭痛をむやみに怖がったり我慢したりせず、自分の頭痛を知り、合う薬を使ってうまく付き合ってほしい」と飯ケ谷部長は話している。(メディカルトリビューン=時事) ◇ ◇ 北里大北里研究所病院の所在地 〒108―8642 東京都港区白金5の9の1 電話03(3444)6161