鼻の奥の咽頭へんとう(アデノイド)が大きくなる「アデノイド肥大」と、口蓋垂(こうがいすい、いわゆるのどちんこ)の左右にある口蓋へんとう(いわゆるへんとう腺)が大きくなる「へんとう肥大」。2~5歳くらいの子どもに多く見られ、いびきや無呼吸につながるケースもある。 ▽顔つきに変化も アデノイドも口蓋へんとうも、免疫機能に関わるリンパ球が作られるリンパ組織で、ウイルスや細菌が口から入るのを防ぐ働きを持つ。個人差はあるが、2~3歳頃から次第に大きくなり、7~8歳頃から縮小し始めてやがて消えてしまうのが一般的。 国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)耳鼻咽喉科の守本倫子診療部長は「幼少期には、アデノイドや口蓋へんとうが外部から侵入する病原体などを捕らえる重要な役割を担いますが、成長に伴い、骨髄や胸腺で作られる免疫細胞(T細胞やB細胞)が病原体を攻撃するように変化するのです」と説明する。 しかし、風邪やアレルギーなどによって炎症を繰り返すと肥大化すると考えられている。鼻の奥がふさがれるため、鼻詰まりや口呼吸などの症状が表れる。口呼吸が習慣化すると、口が閉じにくく顎が小さい「アデノイド顔貌」と呼ばれる独特の顔つきになる場合もある。 就寝中に大人のようないびきをかいたり、一時的に無呼吸に陥ったりする場合も。「重症化するとあおむけ寝が苦しくなり、座ったりうつぶせで寝たりする子もいます。放置すると、夜尿が増える、落ち着きや覇気がなくなる子も」 ▽睡眠の様子を撮影 いびきは、風邪を引いたときなど一時的な場合は心配ないが、治った後も続くようなら注意が必要だ。「いびきや無呼吸がある場合は、スマホで30秒~1分程度、動画を撮ってください。呼吸時に喉の辺りがへこむ様子が分かるように、鎖骨辺りまで映すと診断の助けになります」 診断がつけば、経過観察や症状に応じた治療が行われる。場合によっては、アデノイドや口蓋へんとうの摘出手術が検討される。「肥大だけなら必ずしも摘出する必要はありません。一方、摘出することで呼吸や睡眠が改善され、めったに風邪を引かない体質になる可能性もあります」 「お子さんの健やかな成長、発達のためにも、気になる症状があれば耳鼻咽喉科の受診をお勧めします」と、守本診療部長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事) ◇ ◇ 国立成育医療研究センターの所在地 〒157―8535 東京都世田谷区大蔵2の10の1 電話03(3416)0181(代表)