筑波大などの研究グループは、医師が患者の感情を客観的に把握するための新たなツールとして、患者の体に触れないセンサーと人工知能(AI)を組み合わせた感情認識技術を開発したと発表した。 開発した「マルチモーダル感情認識」技術は、高周波の電波により心拍や呼吸などの生理データを非接触で取得した上で、音声や会話内容と合わせて、患者の感情を高精度に推定するもの。 研究グループは、がん診療を模した模擬診察で、専門医と模擬患者による36件の対話を行い、AIによる感情認識の精度を検証。患者自身が評価した感情の記録を基準に、医師とAIの認識精度を比較した。 その結果、AIは認識精度を表す「F1スコア」が0.6088と高く、医師のスコア0.2864を大幅に上回った。 研究グループは「医師は患者の感情に寄り添うことが重要だが、続く共感的対応で精神的に疲弊するリスクもある。医療コミュニケーションの質向上と医療者の負担軽減のため実装を目指す」としている。(メディカルトリビューン=時事)