患者増で医療体制構築が急務―クローン病

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 口から肛門までつながる消化管に炎症が生じるクローン病。患者の多くは10~20代で発症し、腸閉塞などで手術が必要になることも。北里大北里研究所病院(東京都港区)炎症性腸疾患先進治療センターの小林拓センター長は「世界的に患者数の増加が予測されます」と指摘する。

▽腹痛、下痢、血便

 クローン病は、国の指定難病になっている。症状として、腹痛や下痢、血便、発熱、痔(じ)に似た肛門の病変などが表れる。急に便意を催して、トイレに間に合わないこともある。「そのため、外出を控えたり、仕事に行けなくなったりすることがあります」

 完治する治療法はないものの、この20年余りで新薬が相次いで開発され、大きく進歩している。炎症に関わるタンパクの働きを阻害する抗体薬などで、「特に、早期から使用することで、症状や消化管粘膜の状態の改善が容易になってきました」。

 しかし、医師が薬で治療するだけでは患者をサポートできない。北里研究所病院では、医師(内科、外科)、看護師、薬剤師、栄養士、事務職員らがチームを組み、患者の日々の生活や仕事に加え、受験、就職、結婚、出産、育児などのさまざまな悩みに対応している。

▽患者が急速に増加

 クローン病の国内患者数は約7万人以上と推測され、国の助成による医療受給者証の交付件数はこの50年で300倍以上に増えた。

 小林センター長が参画した国際共同研究によると、大腸に炎症が起きる潰瘍性大腸炎とクローン病を含む「炎症性腸疾患」は世界的に増えており、日本は、「出現期」に続く「発症急増期」から、患者が累積する「有病率増加期」へ移行しつつある。さらには将来、有病率が安定する「有病率平衡期」へと移行していくと予想される。

 増加の要因として、小林センター長は「社会の近代化、工業化で衛生環境が整い、食事は欧米化しています。それによる腸内細菌のバランスの変化が関係するのでは」とみる。

 今後、発症リスクの高い人を見つけ出して、腸内細菌のバランスを調整するといった予防策が期待されるという。また、「専門医を育成し、質の高い医療を広く受けられる体制づくりも求められます」。抗体薬は従来の飲み薬よりも費用がかかるため、医療費に関するサポートも必要だと指摘する。(メディカルトリビューン=時事)

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 北里大北里研究所病院の所在地 〒108―8642 東京都港区白金5の9の1 電話03(3444)6161(代表)

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