過度な不安が半年以上続き、仕事や日常生活に支障を来している場合、全般不安症(GAD)の可能性がある。東京女子医科大付属足立医療センター(東京都足立区)心療・精神科の大坪天平特任教授に聞いた。 ▽特徴は過度な「心配」 主な症状は予期憂慮、すなわち、自分では制御できない慢性的な「心配」だ。根拠のない不安にとらわれ、強い危機感を抱く。睡眠不足や緊張による肩凝り、筋肉痛、だるさ、息苦しさなどの身体症状の他、集中力の低下、落ち着きのなさ、怒りっぽさなども見られる。 「GADはパニック症のような急性の不安ではなく、四六時中、心配な状態が続くことで心身の機能障害を引き起こします」と大坪特任教授。 世界保健機関(WHO)の調査では、日本を含む先進国におけるGADの有病率は約5%。中年以降の女性に多く、病気やパートナーの死などのライフイベントを契機に高齢で初めて発症する人も。 うつ病や他の不安症などを併発することも多い。GADの認知度は低いため、身体症状に医師の目が向き診断が遅れるケースもある。「複数の診療科を受診して治療を受けても改善せず、薬の多剤併用で体調を崩す恐れもあります」 ▽半年続くなら受診を 長期にわたる過度な「心配」は、自殺のリスクにつながるため、単なる性格の問題と片付けるのは危険だ。 GADは発症から1年以内に治療を始めることが重要とされる。主な治療法は薬物療法と精神療法。不安に対処する認知行動療法を併用することもある。「周囲のサポートも大切です。まずは話をよく聞き、不安や心配を否定せず、安心して話せる環境を整えてください」 「心配は誰にでもありますが、学業や仕事、日常生活に支障を来すほどの不安が続くなら、心療内科や精神科の受診をお勧めします」と大坪特任教授は助言している。(メディカルトリビューン=時事) ◇ ◇ 東京女子医科大付属足立医療センターの所在地 〒123―8558 東京都足立区江北4の33の1 電話03(3857)0111(代表)