人工呼吸が子どもを救う―窒息、溺水事故など

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 食べ物が喉に詰まる、水に溺れるなどして心臓が止まった子どもに対し、目撃者による人工呼吸の実施が減っていることが岡山大(岡山市)の研究で分かった。その背景や影響について、地域救急・災害医療学講座の小原隆史特任講師に聞いた。
▽コロナ後に減少
 普段の生活で急に心臓が止まる原因は、成人では心筋梗塞など心臓の病気が多い。居合わせた人が胸の中央部(胸骨)の圧迫を繰り返せば、心臓の拍動を再開させることが可能だ。人工呼吸と交互に行うよう推奨されていたが、感染対策や心理的・技術的な課題から、胸骨圧迫のみの心肺蘇生が普及している。
 「一方、子どもでは心臓そのものよりも、窒息や溺水などによる呼吸障害が原因で心臓が止まるケースが多い」と小原講師。そのため、蘇生に人工呼吸が重要だという。
 小原講師らは消防庁のデータベースを用いて、2017~21年に病院外で発生した17歳以下の心停止のうち、目撃者が心肺蘇生した3352例を解析した。
 その結果、人工呼吸を含む心肺蘇生が行われたケースは、新型コロナウイルス流行前の17~19年は33%だったが、20~21年は21%に減少。そのために年間約11人、助かるはずの子どもの命が失われたと推定された。
▽口に触れない方法も
 現場で市民が人工呼吸を施すことはハードルが高い。「成人への人工呼吸の実施が減っている影響もあり、子育て中の市民や教育関係者の講習でさえも、人工呼吸を教える機会が減っている」
 さらに、コロナ下で感染への警戒が高まり、子どもでも実施率が低下したとみる。
 対策として、傷病者に装着して口に触れずに人工呼吸ができる「ポケットマスク」や、マウスピース付きフェースシールドのような補助具の活用がある。特に、学校や幼稚園など子どもが集まる場所では、これらを自動体外式除細動器(AED)とともに配備することが考えられる。119番通報を受けた消防本部が、必要に応じて人工呼吸の実施を指示することも有効だという。
 小原講師は「心停止の子どもには人工呼吸が必要だという認識を社会に広めることや、子どもに関わる人が安心して蘇生を行えるような環境整備と教育が重要です」と強調する。(メディカルトリビューン=時事)
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 岡山大病院の所在地 〒700―8558 岡山市北区鹿田町2の5の1 電話086(223)7151(代表)
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