高齢化に伴い、胃がんになる人が増えている。胃がんの原因の9割以上を占めるのがピロリ菌(Helicobacter pylori)だが、これまで胃潰瘍などの病気がなければ除菌に健康保険が適用されず、自費で行うしかなかった。こうした中、2月22日に除菌療法の適応症が拡大され、慢性胃炎に対しても診断と除菌が保険適用されることとなった。北海道大学大学院医学研究科の浅香正博特任教授(がん予防内科学)は、2月10日に札幌市で開催されたセミナーで、今回の適応拡大の意義を強調。2013年を「胃がん撲滅元年」と位置付け、若年者と50歳以上に対する除菌療法の在り方などを解説した。