――西城さんは、頑張り続けて走り続けてきた方というイメージがありますが...。 若い頃、100やれって言われたら120やってきました。病気になって、最初は「前に戻りたい」と思うじゃないですか。何でできないんだという、いら立ちもリンクしてきますし。でも、それじゃダメなんです。かっこよく見せたくたって、もう、そうじゃないですから。 無理してもそれは"崩れちゃう無理"なんじゃないか、それは不本意だな、どうしたらいいんだろうと思ったら、まず、「一患者になること」がスタートだと気づいたんです。「自分のありのままを見てもらおう、その頑張っている姿が美しいだろう」と思いました。「西城秀樹」でいることが崩れちゃうような無理をして疲れてしまう原因だから、まず「西城秀樹」というキャラクターを脱ごう、脱いで一人間に戻ったところから始めないと、僕はもうこの先は闘えないという気持ちになったんです。 病気になって、それじゃいけない、もっと自然体じゃなきゃいけないと気づいて、だから外出時やリハビリ時に(変装用の)マスクもしないし、なるべくそのままで、頑張っているんだなと見てもらった方がいいし、周りの人たちに励みにしてもらえると自分の励みにもなるんですよね。これは再発後に変わった気持ちです。