長野県立こども病院小児集中治療科の笠井正志医監らは,今年1月中旬に持病のない9歳男児がインフルエンザ脳症(インフルエンザウイルス感染による発熱で脳や神経などに障害を負う病気)を発症し,死亡した症例に関する報告を、2月10日発行の国立感染症研究所の報告書「病原微生物検出情報 速報」(電子版)に発表した。遺伝子検査の結果,男児の喉や鼻の粘膜からA型インフルエンザウイルスのH1N1pdm09型が検出されたという。この亜型は2009年の大流行時に"新型インフルエンザ"と呼ばれたもので、当時は急性脳症が増加していた。今年に入ってH1N1pdm09型が増えていることから、同様の懸念があるとして注意を呼びかけている。 最新のインフルエンザ発生報告数と年間推移を見る