9月に入り、マダニに刺されて2人の方が亡くなるという不幸なニュースがありました。原因は、数年前から話題になっている「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」と「日本紅斑熱」とういう、マダニが媒介する感染症によるものでした(9月4日付毎日新聞「SFTS:マダニ媒介、新感染症 60代男性が死亡 県内初/石川」、同日付産経新聞「マダニに噛まれ80代男性が死亡 尾道」)。 みなさんは「マダニ」と聞いて、その姿や存在をイメージできるでしょうか。ダニというと畳や絨毯(じゅうたん)に潜む微小な生物を思い出すかもしれませんが、それとは全く異なります。犬や猫を飼われている方であれば、"夏場に予防する何か"といった認識はあるかもしれません。でも、そもそもダニがナニモノなのか、何に気をつければいいのか解らない方が多いようです。 しかし、人が死んでしまうような感染症を媒介する生物であるというニュースを見たペットのオーナーからは、「ウチの子には感染しないのか?」「ウチの子から人に感染するのか?」といった質問が増えています。そこで今回は、人にも被害を与えることのあるマダニについて、特に動物に対する影響とその予防についてざっくりと触れたいと思います。