英国やオーストラリアなどでは最近、帝王切開で生まれきたばかりのわが子の顔や体に、ガーゼに染みこませた自分の膣(ちつ)の分泌液を塗ることを希望する母親が増えているのだとか。「vaginal seeding(膣液の植え付け)」と呼ばれるこの行為は、通常分娩(ぶんべん)に近づけて免疫力が高めることが目的とされる。しかし、専門家は「安全性や有効性は科学的には証明されていないため、行うべきでない」と呼びかけている。2月23日発行の英医学誌「BMJ」(電子版)に掲載された論評によると、この行為によって母親の産道に付いていた悪い菌やウイルスが出生児に重い感染症をもたらす可能性があるという。