激しい嘔吐や下痢、腹痛などを引き起こすノロウイルス感染。特に子供がいる家庭では、家族内で感染が広がり、子供から感染した親が仕事を休まざるを得なくなるなど経済的な負担を強いられる場合も珍しくない。こうしたノロウイルスによる胃腸炎にかかる人は、わが国では年間100万人に上り、全世界では年間約7億人に達すると推定されている。さらに、その医療費や仕事を休むことなどによる経済的な損失は、世界で600億ドル(1ドル108円換算で6兆5,000億円)に上ることが、米ジョンズホプキンス大学公衆衛生学の研究グループによる試算から明らかになった。詳細は4月26日発行の科学誌「PLOS ONE」(電子版)に掲載されている。