腸内細菌と認知症が関連か

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

© Adobe Stock ※画像はイメージです

 ビフィズス菌などの腸内細菌の減少が、認知症の約20%を占めるレビー小体型認知症(DLB)の発症に関連する可能性が示されたと、名古屋大などの研究グループが発表した。

 DLBの原因は、脳の神経細胞に発現するタンパク質の異常蓄積と考えられている。研究グループは以前、腸管内で多くの神経が集まる神経叢(そう)が変化し、異常蓄積されたタンパク質が神経回路を通して広がる可能性を明らかにしている。

 今回は、神経変性疾患患者(DLBおよび類縁疾患のパーキンソン病など)278人と、健常者147人の糞便(ふんべん)検体に含まれる腸内細菌叢を解析した。

 その結果、健常者と比べ、DLB患者で減少していた細菌は全て、神経の炎症を抑える短鎖脂肪酸を産生する細菌であることが分かった。また同患者ではアルツハイマー病でも観察されるビフィズス菌の減少が認められ、認知機能低下との関連が示唆された。研究グループは「DLBの病態解明につながる」とコメントしている。

(メディカルトリビューン=時事)

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