運動主体感低下が上肢使用量に影響

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 「自分が自分の運動をコントロールしている」という感覚を指す「運動主体感」。脳卒中後の運動障害で運動主体感が低下すると、腕や手の使用量が減少することが分かったと、産業技術総合研究所などの研究グループが発表した。

 脳卒中後に起きる運動障害は運動主体感を低下させ、体を動かす頻度が減ると考えられている。しかし、運動障害がまひした上肢の重たさ、ぎこちなさなどの不快感を生じさせ、上肢使用量が減っている可能性があり、運動主体感自体の影響については不明だった。

 研究グループは、運動障害で生じる不快感と運動主体感を分けて評価する質問紙を作成。これらを用い、脳卒中経験者156人(平均年齢70.8歳)を対象に、運動主体感が上肢使用量に及ぼす影響を調べた。

 その結果、運動障害が重いほど運動主体感が低下し、不快感ではなく運動主体感の低下が上肢使用量を顕著に減少させることが分かった。研究グループは「運動主体感の向上が上肢使用量の改善につながる」としている。(メディカルトリビューン=時事)

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