後期高齢者を対象とした研究から、奥歯のかみ合わせの悪化で死亡リスクは上昇するが、状態の良い入れ歯の使用でリスクが抑えられることが分かったと、大阪大大学院などの研究グループが発表した。 研究グループは、2018年4月~20年3月に大阪府の後期高齢者歯科健康診査を受診した男女18万6893人のデータを収集。歯を失うことでかみ合わせが悪化した人の入れ歯の状態と、死亡リスクとの関連を検討した。 平均3.2年の追跡期間中に、1万5955人が死亡した。解析の結果、奥歯のかみ合わせが悪化するほど死亡リスクは上がった。さらに、かみ合わせが悪い上、合わない入れ歯を使用している、または入れ歯を使用していない人は、比較的かみ合わせが良く入れ歯の状態が良好な人に比べ、死亡リスクが最大で1.83倍高かった。 研究グループは「適切な入れ歯の使用が高齢者の健康維持に重要」と述べている。(メディカルトリビューン=時事)