肥満、脂質異常症、内臓脂肪の蓄積は、慢性腎臓病の発症や進行につながると、東京大大学院などの研究グループが発表した。 研究グループは、血清クレアチニン値を2回以上測定した30万8174人の約3年間の健康診断データを解析し、体格指数(BMI)または腹囲、善玉のHDLコレステロール値、中性脂肪値と腎機能低下率の関連を調べた。その結果、HDLコレステロールが低いと、その後の急速な腎機能低下と関連することが分かった。 さらに、腎機能低下や尿タンパクのない28万1526人のデータから将来的な尿タンパク出現率を算出したところ、腹囲、HDLコレステロール値、中性脂肪値がメタボリック症候群に当てはまる場合やBMIが25以上の場合に、尿タンパクが発生するリスクが高かった。 研究グループは「慢性腎臓病の予防や進行抑制のため、該当者は腎機能の検査とフォローアップが重要」としている。(メディカルトリビューン=時事)