子宮内の炎症が持続する「慢性子宮内膜炎」には脂質代謝の異常が関係し、エイコサペンタエン酸(EPA)の摂取で改善する可能性が示されたと、日本医科大などの研究グループが発表した。 慢性子宮内膜炎は、子宮内膜に「形質細胞」という炎症細胞が見られることで診断され、受精卵が着床しにくくなったり、妊娠を維持できなくなったりする。 研究グループは、ヒトの慢性子宮内膜炎に似た病態を再現したマウスを対象に、脂質代謝の異常が病気の進行に関与するかを調べた。 その結果、脂質代謝に異常があると子宮内膜の炎症が悪化し、流産が多発することが分かった。また、このマウスはEPAが不足し、形質細胞が増加していたが、EPAを取ることで形質細胞が減少。子宮内膜の炎症が改善し、流産が抑えられた。 さらに、慢性子宮内膜炎患者を対象にした分析でも、脂質異常が見られることが分かり、研究グループは「EPA補充療法の臨床研究を進めたい」としている。(メディカルトリビューン=時事)