病名に「リウマチ」とあるため、関節リウマチと混同されやすいリウマチ性多発筋痛症。小児には発症せず、50歳以降の中高年に多く見られる。済生会川俣病院(福島県川俣町)リウマチ内科の大庭敬副院長に話を聞いた。 ▽高齢女性に多い 「原因はまだ分かっておらず、発症率は人種や地域によって差があります。北欧に多く、日本人では少ない病気です」と大庭副院長は説明する。多くは50歳以上で発症し、70~80歳がピーク。日本では50歳以上の人口10万人当たり約20人とされ、女性は男性の2~3倍多い。 関節リウマチと同じ自己免疫疾患に分類されるが、「免疫の異常は特に見られません」。 「前日まで元気だった人が、首や肩、足の付け根などに筋肉痛を感じ、朝起きられない、動けないといった症状が突然表れるのが特徴です。症状が続くことで食欲が低下して体重が減ったり、抑うつ症状が出たりすることもあります。発熱もありますが、38度を超えることはまれです」 ▽ステロイド薬が有効 症状は特徴的だが、他の病気でも似たような症状があるため、診断は難しい。筋肉痛が続いて整形外科を受診したり、食欲不振や抑うつで精神科を受診したりして、確定診断まで時間がかかることもある。 「リウマチ専門医のもとで、問診や血液検査、画像検査などを行い、関節リウマチに見られる炎症の有無などを調べた上で診断します。治療にはステロイド薬を使い、数日で効果が表れます。症状が治っても薬をやめずに続けることで、おおむね再発を防げます」 側頭部の頭痛や動脈の蛇行、拍動、触れると痛む、視力低下などがある場合は、患者の約20%に見られる「巨細胞性動脈炎」の合併が疑われ、体の組織を採取して調べる生検が必要になることもある。 「関節リウマチとは異なり、リウマチ性多発筋痛症は症状が突然表れるのが大きな特徴です。激しい運動をしたなど思い当たることがないのに、全身の筋肉痛が急に起きたら、リウマチ・膠原(こうげん)病内科に相談してください」と大庭副院長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事) ◇ ◇ 済生会川俣病院の所在地 〒960―1406 福島県川俣町鶴沢川端2の4 電話024(566)