肥満や脂質異常もリスクに―慢性腎臓病
血液をろ過して尿を作るなどの腎臓の働きが低下している慢性腎臓病(CKD)は、進行すると心筋梗塞などの心血管疾患や透析導入のリスクが高まる。発症には肥満や脂質異常が関連することが、東京大大学院医学系研究科(東京都文京区)疫学・予防保健学・生物統計学分野の吉田唯助教らによる研究で分かった。
▽患者は2000万人
CKDは、腎機能を表す推算糸球体ろ過量(eGFR)の低下もしくは、腎臓の障害を示唆するたんぱく尿などのいずれかが3カ月を超えて続くと診断される。日本腎臓学会によると、国内患者は約2000万人と推計される。
発症、進行に関わる因子として高血圧や糖尿病が知られている。吉田助教らは2015~22年、全国で職域健康診断を受けた30万8174人(勤労者と家族)の約3年分の匿名化データを解析した。追跡開始時点の年齢の中央値は46歳、男性が6割。肥満と脂質異常の判定には、日本のメタボリックシンドロームの基準を用いた。
▽たんぱく尿出現の恐れ
その結果、開始時に腎機能低下とたんぱく尿がなくても、「内臓脂肪蓄積の目安であるウエスト径が男性で85センチ以上、女性で90センチ以上」「中性脂肪が150mg/dL以上」「HDLコレステロールが40mg/dL未満」のいずれかに該当する人は、非該当者に比べて、新たにたんぱく尿が出現するリスクが統計学的に有意に高かった。年齢、性別、合併症(高血圧、高血糖など)、運動、飲酒、喫煙習慣のばらつきを調整しても、同様の結果だった。
メジャーで測るウエスト径(へそ周りのサイズ)を体格指数(BMI)に替えて解析しても、肥満の基準である25以上の場合のたんぱく尿の出現率は有意に高かった。
吉田助教は「肥満による動きにくさなど、一時的な影響だけでなく、将来の体のダメージを予防するために、バランスの取れた食生活や運動習慣などを意識してほしい」と話している。(メディカルトリビューン=時事)
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