肺動脈性肺高血圧症(PAH)は従来、若年層に多いと考えられてきたが、近年のレジストリ研究では高齢者や心肺併存疾患を伴う患者の増加が報告されている。こうした患者は、肺血管拡張薬に対する反応性が低く死亡リスクも高いため、従来とは異なる治療戦略を考える必要がある。東京大学循環器内科の皆月隼氏は、PAHの現状と今後の治療戦略について、第71回日本心臓病学会(9月8~10日)で解説した。