アバコパンにブルーレター発出

重篤な肝機能障害による死亡例受け、添付文書も改訂

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 厚生労働省は本日(5月21日)、選択的C5a受容体拮抗薬アバコパン(商品名タブネオスカプセル10mg)について、重篤な肝機能障害による死亡事例が報告されたことを受け、添付文書を改訂するとともに安全性速報(ブルーレター)を発出した

死亡20例中2例が因果関係否定できず

 既報の通り(関連記事「アバコパンの重篤な肝機能障害で注意喚起、20例が死亡」)、アバコパン投与例において胆管消失症候群(VBDS)を含む重篤な肝機能障害が発現し、死亡事例20例が報告されたことを踏まえ、厚労省は今月(5月)1日付で添付文書の「重大な副作用」の肝機能障害の項に「胆管消失症候群」を追記するよう指示、今月15日付で注意喚起を行っていた。

 医薬品医療機器総合機構(PMDA)は今回、集積された報告を基にさらなる安全対策の必要性を検討した。

 その結果、①承認時から肝機能障害に係る注意喚起がなされていたが、VBDSを含む重篤な肝機能障害に関する副作用の報告がある、②肝機能障害を伴い死亡に至った20例中2例は同薬との因果関係が否定できない-ことから、専門委員の評価も踏まえて使用上の注意改訂を指示するとともに、ブルーレターを発出した。

開始後3カ月間は2週間隔で肝機能検査を

ブルーレターでは、医師に対し以下のように呼びかけている。

●アバコパン投与時にはVBDSを含む重篤な肝機能障害に注意する

●多くの場合、肝機能障害は投与開始後3カ月以内に発現するため、肝機能障害の早期発見や重症化防止のため、以下の点に十分注意する

○肝機能検査の実施タイミング

・投与開始前

・投与開始後3カ月間:最低2週間に1回

・その後3カ月間:最低4週間に1回

・6カ月目以降:定期的

○以下の所見が現れた場合は、適切な対応を行う

・基準値上限の3倍を超えるALT/ASTの上昇

→投与を中断し、速やかに患者の状態を評価する

VBDSが疑われる場合は、速やかに投与中止する

○以下に該当する場合は中止する

・ALT/ASTが基準値上限の8倍を超える

・ALT/ASTが基準値上限の5倍を超える状態が2週間超持続

・総ビリルビンが基準値上限の2倍を超える

・ALPが基準値上限の2倍以上

・黄疸や瘙痒などの肝機能障害の徴候・症状が出現

●患者の状態を十分に観察し、自他覚症状の発現に注意する。異常が認められた場合は直ちに医師・薬剤師に相談するよう患者に指導する

 患者に対しては、アバコパン使用時に倦怠感、発熱、食欲不振、腹痛などの肝機能障害が疑われる自覚症状が現れた際は、我慢せず速やかに医療機関を受診するよう求めている。

 添付文書改訂の詳細は、医薬局医薬安全対策課長通知(医薬安発0521第1号)を参照されたい。

編集部・関根雄人

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