医療事故報告、相談件数ともに減少

医療事故調査制度の現況報告(1⽉)

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 日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)は2月10日、今年(2025年)1月末時点における医療事故などの報告状況をまとめた「医療事故調査制度の現況報告(1⽉)」を公式サイトに掲出。昨年12月と比べ、医療事故報告院内調査結果報告、相談件数はいずれも減少していた。(関連記事「医師の責任重大!血液検査パニック事例」)

診療科別では消化器科が、地域別では関東信越が最多

 医療事故報告件数は24件で、昨年12月の28件から減少。直近6カ月で最も多かった昨年10月の36件の3分の2となった。医療機関別では病院が23件、診療所が1件だった(表1)。診療科別に見ると消化器科が5件で最も多く表2)、地域別では関東信越の12件が最多だった(表3)。

表1. 医療機関別に見た医療事故報告件数

表2. 診療科別に見た医療事故報告件数

表3. 地域別に見た医療事故報告件数

〔表1~3とも医療事故調査制度の現況報告(1⽉)〕

 2016年以降における24カ月ごとの報告件数を見ると、2016~17年が776件(1カ月当たり32.3件)、2018~19年が750件(同31.3件)、2020~21年が641件(同26.7件)と減少していたが、2022~23年には661件(同27.5件)と増加に転じた。昨年12月時点でも直近12カ月間で349件(同29.1件)と増加傾向が続いていたが、今回は24件と減転したことで動向が注目される。 

 院内調査結果報告は22件で、昨年12月の34件から約65%に減少した。

 相談件数も昨年12月の202件から156件と大幅に減少した。相談者の内訳は、医療機関が64件(昨年12月87件)、遺族などが81件(同104件)、その他・不明が11件(同11件)だった。遺族などの求めに応じて相談内容を医療事故調査・支援センターが医療機関に伝達したものは3件、医療機関から医療事故の判断について相談を受け、センター合議を実施して医療機関に助言したものは3件だった。

編集部・関根雄人

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