水環境を介して感染するMycobacterium marinumは、手指や前腕に慢性の皮膚結節や潰瘍を形成する比較的まれな感染症で、「水槽肉芽腫」や「プール肉芽腫」とも呼ばれる。水仕事や観賞魚を扱う人に発症しやすい職業感染症の側面があり、診断の遅れや慢性化が問題となることも少なくない。中国・Tianjin Academy of Traditional Chinese MedicineのAn-Kang Gu氏らは、感染症診断の迅速化と高精度化を可能にする新しい分子診断法であるターゲット次世代シーケンス(tNGS)を用い、M. marinumの迅速診断における有用性を検討。その結果、tNGSが従来法を大きく上回る感度、特異度を示したとJAMA Dermatol(2025年8月20日オンライン版)のResearch Letterに報告した。(関連記事「肥満者で蜂窩織炎の発症リスクが上昇」)