月経前症候群(PMS)は、身体的・精神的な症状を伴う生殖年齢女性に多い疾患で、QOLに大きな影響を及ぼす。発症要因としてホルモン変動や自律神経の調節異常があり、危険因子は喫煙、BMI、食事内容などの生活習慣やストレスなど多岐にわたる。PMS患者の将来的な生活習慣病リスクについての研究は数が少ない上、結果が一貫していない。東京大学生殖発達加齢医学講座の賀博美氏らは、大規模な疫学レセプトデータベースを用いて、PMSと将来の高血圧、2型糖尿病、脂質異常症との関連を検討する後ろ向きマッチドペアコホート研究を実施。その結果、PMSが将来的な高血圧の危険因子になりうることが示されたと、第40回日本女性医学学会(11月1~2日)で報告した。関連記事「対人関係への介入で月経困難が改善した30歳代女性」)