アスピリン、重大な副作用に急性冠症候群を追加

CAR-T療法の進行性多巣性白質脳症なども

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 厚生労働省は昨日(1月13日)付で医薬局医薬安全対策課長通知(医薬安発0113第4号、第5号)を発出、添付文書の「使用上の注意」の改訂を指示した。解熱鎮痛薬・抗血栓薬のアスピリン(商品名バイアスピリン他)および抗血小板薬のアスピリン配合薬は「重大な副作用」の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を新設、キメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T)療法のイデカブタゲン ビクルユーセル(アベクマ)、シルタカブタゲン オートルユーセル(カービクティ)、チサゲンレクルユーセル(キムリア)は「重大な副作用」の「感染症」の項の本文に「進行性多巣性白質脳症(PML)」に関する記述を追加-などの改訂を指示している。(関連記事「DOACの重大な副作用に脾臓出血を追加」)

アスピリン:因果関係が否定できない症例が国内外で集積

 解熱鎮痛薬・抗血栓薬のアスピリン抗血小板薬のアスピリン・ダイアルミネート(バファリン他)、アスピリン・ボノプラザンフマル酸塩(キャブピリン)、アスピリン・ランソプラゾール(タケルダ)、クロピドグレル硫酸塩・アスピリン(コンプラビン他)については、アレルギー反応に伴う急性冠症候群関連症例を評価した。その結果、アスピリンで国内症例6例(うち医薬品との因果関係が否定できない症例1例)海外症例18例(同7例)の集積が確認された。

 因果関係が否定できない死亡例はなく、その他の配合薬は国内外とも症例報告がなかったものの、専門委員の意見も踏まえて改訂が適切と判断。「副作用」の「重大な副作用」の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追記するよう指示した。

 この措置を受け、一般用医薬品のアスピリン含有製剤およびアスピリンアルミニウム含有製剤についても、「相談すること」の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を新設、症状に関する記述を追加することとした。

イメグリミン:因果関係が否定できない症例が国内で7例集積

 イメグリミンについては、重度の食欲減退および嘔吐の症例を評価したところ、国内症例が16例(うち医薬品との因果関係が否定できない症例7例)集積。死亡例はなかったものの、因果関係評価および専門委員の意見も踏まえて「重大な副作用」の項に「重度の食欲減退、嘔吐」を新設することが適切と判断した。

ブロスマブ:国内外で症例が集積

 ブロスマブについては、高カルシウム血症関連の症例を評価したところ、国内症例が3例(うち医薬品との因果関係が否定できない症例2例)、海外症例が1例(同0例)集積。因果関係が否定できない国内症例が認められたことから、①「重大な副作用」の項に「高カルシウム血症」を追記、②「重要な基本的注意」の項に「定期的に血清カルシウムおよび副甲状腺ホルモン(PTH)を測定する」旨を追記、③「特定の背景を有する患者に関する注意」の「合併症・既往歴等のある患者」の「高カルシウム血症の患者」の項に「高カルシウム血症のリスク因子(副甲状腺機能亢進症、不動状態、脱水、ビタミンD過剰症、腎機能障害等)を有する患者」を追記-することが適切と判断した。

CAR-T療法:因果関係が否定できない死亡例が海外で集積

 イデカブタゲン ビクルユーセルシルタカブタゲン オートルユーセルチサゲンレクルユーセルについては、PML症例を評価したところ、国内症例がチサゲンレクルユーセルで1例(うち医薬品との因果関係が否定できない症例0例)海外症例がイデカブタゲン ビクルユーセルで1例(同0例)シルタカブタゲン オートルユーセルで3例(同2例)チサゲンレクルユーセルで2例(同2例)集積。死亡例はいずれも海外症例で、シルタカブタゲン オートルユーセルで3例(同1例)チサゲンレクルユーセルで1例(同0例)が確認された。

 2剤で因果関係が否定できない症例が集積したことから、共通の注意喚起を行うことが適切と判断。「重大な副作用」の「感染症」の項の本文に「進行性多巣性白質脳症(PML)」に関する記述を追加するよう指示した。

 シルタカブタゲン オートルユーセルについては、腸炎症例も評価。国内症例の報告はなかったが、海外症例が31例(うち医薬品との因果関係が否定できない症例22例)集積。因果関係が否定できない死亡例はなかったものの「重大な副作用」の項に「腸炎」を新設し、注意喚起する記述を追加することが適切した。

 詳細は、厚労省の「医薬安発0113第4号第5号」を参照されたい。

編集部・関根雄人

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする