トータルネオアジュバント療法(TNT)は、局所進行直腸がんの手術前に化学放射線療法(CRT)と全身化学療法を組み合わせることで、がんの遠隔転移や局所再発の抑制を図るとともに、奏効が得られた場合には手術を行わずに経過を見ること(非手術的管理)ができる、いわゆる臓器温存も目指すことが可能な治療戦略である。現在、欧米ではTNTを施行し、治療効果に基づき全直腸間膜切除術(TME)または非手術的管理を行う手法が主流となっている。一方、日本では術前治療は標準治療とはされておらずTME+側方リンパ節郭清(LLND)に加え、必要に応じて術後補助化学療法を行うことが治療の柱であり、TNTの普及にはエビデンスの蓄積が待たれる。大阪国際がんセンターの森良太氏は、TNT後の直腸がん手術の短期治療成績を第104回大腸癌研究会(1月22~23日)で発表した。(関連記事「短期照射+術前補助療法は費用効果に優れる」)