慢性腎臓病(CKD)は放置すると末期腎不全に至る他、心血管疾患(CVD)や死亡のリスクとなることから、いわゆる「隠れ腎臓病」の早期のうちに診断および治療することが重要とされる。早期診断には尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)の算出に必要な尿アルブミン定量測定が重要な役割を果たすが、日本では非糖尿病患者には保険が適用されない。日本腎臓病協会は1月9日に、バイエル薬品と共同で実施したUACRの医療経済的有効性を糖尿病の有無別に評価する産学連携共同研究の結果について、「腎障害の指標である UACRは糖尿病合併の有無にかかわらず、他の指標と比べ費用対効果が高かった」と報告(J Diabetes Investig 2025; 16: 108-119、Clin Exp Nephrol 2024年12月16日オンライン版)。UACR算出に必要な尿アルブミン定量測定の保険適用拡大に期待感を示した。