カテーテル関連血流感染(CRBSI)は、入院期間の延長および死亡リスクの上昇と関連する。RSVP試験では、中心静脈アクセスデバイス(CVAD)または末梢動脈カテーテル(PAC)の輸液セットの交換間隔を4日から7日に延長しても、感染リスクが2%以上上昇しないことを報告した(Lancet 2021; 397: 1447-1458)。しかし、同試験では交換間隔延長に伴う費用効果と健康転帰の関連は十分に考慮されていなかった。シンガポール・Duke-NUS Medical SchoolのShalini Elangovan氏らは、同試験のデータを用いて意思決定木モデルを開発。輸液セットの交換間隔延長による費用効果とCRBSIリスクの上昇に伴う健康損失について情報価値分析を行った。その結果、「7日間隔戦略による費用削減効果はCRBSI治療に必要な追加費用より大きい一方、人口レベルでは追加感染、超過死亡、損失生存年数(YLL)による重大な健康転帰への悪影響をもたらすトレードオフの関係が示された」とJAMA Netw Open(2025; 8: e2546398)に報告した。(関連記事「CRBSI対策の世界トレンド、柱は『清潔操作の徹底』」)