和歌山県立医科大の研究チームは1日までに、原因特定が難しい突然死の診断精度を高める新たな手法を開発したと発表した。解剖では把握しにくい心臓の変化を細胞や血液から分析するもので、死因究明の高度化が期待される。論文は英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。 突然死の多くは心臓のトラブルが原因とされるが、発症から短時間で死亡した場合、心筋細胞の変化が形として現れず、解剖でも明確な異常が確認できないことがある。このため死因の特定が難しいことが課題となっていた。 国中由美特別研究員らの研究チームは、司法解剖した67人を対象に、心臓組織を染色して解析。細胞のDNA損傷を示す指標「8―OHdG」を調べるとともに、心臓への負荷を示す血中物質「NT―proBNP」を解析した。 その結果、心臓が原因とみられる突然死では、心筋細胞の核内に8―OHdGの蓄積が多く認められ、NT―proBNPも高値を示す傾向が確認された。研究チームは、両者を組み合わせることで、心臓由来の死因をより的確に推定できる可能性が示されたとしている。 国中特別研究員は「新しい診断手法の可能性が開けた。今後は症例数を増やしてより確実な指標とし、実用化に向けた研究を進めていきたい」と話している。 (2026年4月1日 時事メディカル)