花粉速報⑪(最終回) 4月上旬はヒノキに注意 NPO花粉情報協会・佐橋紀男氏が解説 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする NPO花粉情報協会事務局長・東邦大学理学部訪問教授の佐橋紀男氏によると,3月下旬時点では関東や九州をはじめ多くのエリアでは,既にスギ花粉の飛散ピークを越えて小康状態といえるが,東北の北部などではこれからピークを迎えるという。さらに,最近は関東および西日本でヒノキ花粉が飛散し始めていることから,同氏は4月上旬にはヒノキ花粉の飛散ピークを迎える可能性があることを指摘している。 図. 2016年の3月下旬時点のスギ・ヒノキ花粉の飛散量と,2016年予測,2015年実測の飛散量 (NPO花粉情報協会提供) 青森県や岩手県などは飛散ピーク 佐橋氏に3月下旬時点における全国の飛散動向を聞いたところ,スギ花粉は多くのエリアで飛散ピークを越えている。 ただし,東北に関しては,北部の青森県弘前市や岩手県盛岡市では,3月中旬ごろから飛散開始〔ダーラム式計測法(スライドガラスに付着した花粉を目視で計測する精度が高い手法)で1cm2当たり1個以上の花粉が2日連続して観測された最初の日〕となっている。 東北北部では最近,1日当たり3桁を超える飛散が確認されている。盛岡市では3月27日に非常に多い600個/ cm2(以下,個)が観測された。 同氏は,「今後は,東北北部を中心に飛散ピークを迎えることから,気温が高く風が強い日などには注意が必要である」としている。 2015年の飛散量を上回るエリアが多い 関東の埼玉県坂戸市や千葉県船橋市では,3月下旬時点で飛散予測数程度のスギ花粉が実測されていることや,飛散が多いと言える1日当たり100個以上の飛散があまり見られないこと,3月下旬は中旬に比べてスギ花粉の飛散量は多くないことから,スギ花粉の飛散ピークはおおむね過ぎているといえる。ただし,3月下旬からヒノキ花粉の観測数が多くなってきているという。 一方,東海や近畿に関しては,3月下旬時点でスギ花粉の飛散ピークが過ぎている可能性を考えると,多くのエリアでスギ花粉の飛散が多くないことにより飛散予測を下回り,2015年の飛散量に近いことが見込まれている。 中国,四国,九州では飛散予測に対して半数以上の飛散を観測。さらに2015年の飛散量を既に上回っているエリアが多いことから,スギ花粉に関しては飛散ピークを越えていることが推察されている。 同氏は「関東および東海以西では,3月下旬になってヒノキ花粉の飛散が増加しているエリアが多い。4月に入ってから,上旬までには飛散ピークを迎える可能性がある」と注意を促している。 図 スギ花粉の飛散開始が確認された地域(3月29日現在) ■東北青森県:弘前市 3月5日,岩手県:盛岡市 3月5日,山形県:山形市 2月28日,庄内三川町 2月28日,宮城県:仙台市 2月21日,福島県:福島市 2月22日,いわき市 2月13日 ■関東茨城県:水戸市 2月14日,栃木県:壬生町 2月14日,群馬県:高崎市 2月13日,埼玉県:坂戸市 2月9日,千葉県:船橋市 2月14日,富里市 2月13日,旭市 2月14日,鴨川市 2月1日,木更津市 2月14日,東京都:千代田区 2月13日,品川区 2月14日,八王子市 2月13日,神奈川県:横浜市 2月14日,厚木市 1月18日,小田原市 2月14日 ■甲信越 山梨県: 甲府市 2月14日,長野県:松本市 2月27日,新潟県:新潟市 2月28日 ■東海 静岡県:浜松市2月14日,静岡市 2月14日,伊東市2月13日,愛知県:名古屋市 2月21日,岐阜県:大垣市 2月23日,三重県:津市 2月14日 ■北陸 富山県:富山市 2月18日,石川県: 小松市 2月12日,福井県:福井市 2月19日 ■近畿 和歌山県:和歌山市 2月19日,新宮市 2月13日,御坊市 2月19日,田辺市 2月14日,橋本市 2月12日,奈良県:奈良市 2月23日,天理市 2月25日,滋賀県:大津市 2月18日,京都府:舞鶴市 2月20日,大阪府:東大阪市 2月27日,兵庫県:西宮市 2月18日 ■中国 岡山県:岡山市 2月13日,鳥取県:米子市 2月14日,広島県:広島市 2月25日,島根県:出雲市2月18日,松江市2月18日,山口県:山口市 2月13日 ■四国 香川県:高松市 2月8日,高知県:南国市 2月13日,愛媛県:松山市 2月11日,今治市 2月14日 ■九州 福岡県:福岡市 2月12日,佐賀県:佐賀市 2月12日,長崎県:長崎市 2月12日, 熊本県:八代市 2月12日,大分県:由布市 2月12日,宮崎県:宮崎市 2月13日,鹿児島県:鹿児島市 2月19日 注:赤字はスギ花粉の飛散が多いエリア(3月以降に1日当たり100個/cm2以上を観測) (図,表ともにNPO花粉情報協会提供) (編集部) 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×